どうも風谷創太です。
さて、最近は素晴らしいコロナ日和ですね!
……はぁ、なんと私の地元、しかも超ピンポイントで私の出身の町でコロナが出てしまったんですよ。
嗚呼、おうち帰れない。
かといって一人で自堕落な生活をするのも何ですし、今回は前回の微分の話であまり触れなかった高階導関数について話そう。
今回は短くなりそう、やったぁ!
\[y=f\big(x\big)\tag{1}\]とすると、微分して
\[\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=f'\big(x\big)\tag{2}\]
と書けますね。こうやって、一回微分したときにできる関数を一階微分、または一階導関数といいます。はぇえ、一回を一階とな……ややこしい。
じゃあ、こいつをもう一回微分するとどうなるか。
一般にはこう書ける。\[\frac{\mathrm{d^2}y}{\mathrm{d}x^2}=\frac{\mathrm{d}f'\big(x\big)}{\mathrm{d}x}=f''\big(x\big)\tag{3}\]
んで、どんどん微分してくと、n階導関数では
一般にはこう書ける。\[\frac{\mathrm{d^n}y}{\mathrm{d}x^n}=\frac{\mathrm{d}f'\big(x\big)}{\mathrm{d}x^{n-1}}=f^{n}\big(x\big)\tag{4}\]
となる。
結論から言えば、極値を求めたり、それが極大値であるか極小値であるか定めたり、変曲点を求めたりするときに使う。
まず、一階微分からは極値がわかる。
これは、f'(x)=0になる点(臨界点)は傾きが水平となる、つまりこれ以上増加もしくは減少しないということであるからだ。
このことについては以下の定理があるので覚えておこう。
・f(x)がx=aで微分可能であり、かつf(x)がx=aで極大値または極小値をとるとき、f'(a)=0
ただ、後程しっかり触れるが、命題で考えると、上記は十分条件ではあるが必要条件ではない。
また、極大極小については以下の定理を基にする。(高2であれば別のやり方を用いるだろうが、今回は変曲点についても触れるため)
・f(x),f'(x),f''(x)が連続でf'(a)=0のとき、
ここで、勘が良ければ「あれぇ、f''(x)=0は?」となるはずだ。説明のため上からあえて省いている。
このf''(a)は、確かに変曲点になるのだが、ただ単にこの値が0だからと言って変曲点になるわけでなく、このx=aを境にf''(x)の符号が変わる必要がある。
幾つか例を挙げよう。
\[y=x^3+6x^2+10\tag{5}\]
これを微分すると\[y'=3x^2+12x=3x\big(x+4\big)\tag{6}\]となり、極値はx=-4、x=0の時に取ることがわかる。実際に元の関数に代入すれば具体値がわかるが、今回は省略。
では、極大、極小、変曲点についてみるために二階導関数を求めると
\[y''=6x+12\tag{7}\]
よってx=-4の時y''=-12<0となり極大値、x=-2のときy''=0で変曲点、x=0のときy''=12>0となり極小値ということが分かった。
fig.1 式(5)の三次関数のグラフ。さあ、これで正しいと分かっただろう、ドヤァ
ちなみにこの図を拡大すると、部分的に二次曲線に近似できる。
この時の近似式は一般に\[f\big(x\big)\simeq f\big(a\big)+\frac{1}{2}f''\big(a\big)\big(x-a\big)^2\tag{8}\]となり、
fig.2 式(5)を式(8)のように近似して得られた二次関数
まあ、近似は追々、別の形で触れるだろう。
だから反例としてf'(a)=0で極値をとらない例、およびf''(a)=0で変曲点とならない例を挙げよう。
例1)極値をとらない関数
\[f\big(x\big)=x^3\tag{9}\]
fig.3 式(9) どうみても極値とかない。
例2)変曲点のない関数
\[f\big(x\big)=x^4\tag{10}\]
fig.4 式(10) x=0で変曲点じゃなく極小値だね
塩化ナトリウム溶液は中性だね。じゃあなんで中性かって、正電荷と負電荷の大きさが釣り合ってるからだ。
上の溶液において、例えばナトリウムイオンを中心に極座標系を考えるとこのナトリウムイオンの周りに、電荷の大きさが均等になるように塩化物イオンが存在する必要があるわな。
で、電荷はクーロンの法則に従うわけだから、一つのイオン電荷qiに対して多数のイオンの反対符号電荷の大きさが釣り合うにはある程度離れたところではこの程度の電荷の大きさになるように広がっていて……となる必要があるわけだ。
そこで、仮に半径r、厚さdrの球殻(まあ卵の殻みたいな薄いやつイメージして)を考えると、この球殻内にある正味の電荷は\[p_i\big(r\big)\mathrm{d}r=-q_i\kappa^2r\exp\big(-\kappa r\big)\mathrm{d}r\tag{11}\]で表される。(κは距離の単位mの逆数の次元を持つ定数)
今回は主題でないので書かないが、0から無限大までの区間で積分という操作をしてみると、-qiという,反対符号の同じ大きさの電荷だと分かる。(正確ではないが、イメージとしては『ある程度離れたところでの電荷』をすべて足し合わせたら等しくなったっていうので間違えは無いだろう。)
んで、この式(11)を図で表すと
fig.5 電荷qiの中心イオン周りでの、半径r、厚さdrの球殻内の正味の電荷のプロット。
まあ、メモリを見れば一目瞭然で、κrが1となるところが極大値だとバスっとわかるわけだがそのような勘のいいガキは嫌いだよ。
さて、主題の微分でこれを求めよう。
そうすると\[\frac{\mathrm{d}p_i}{\mathrm{d}r}=\kappa\exp\big(-\kappa r\big)-\kappa^2r\exp\big(-\kappa r\big)\tag{12}\]
式(12)が0となるrの値は、r=κ-1となり、最大値となる。つまりκr=1で極大となる、と言えるのだ。
だけど、疲れるのよほんとこれ。
本当は級数展開も話そうと思ったが微分とは分けてやろうと思います。
なので先に偏微分、状微分方程式と話していこうかと思うのでよろしく。
そんじゃ、またな!
参考文献及び制作にあたって使用したサイト(うまくいけばAmazonページに飛ぶはずだが)
1)Donald A.McQuarrie著,藤森裕基他訳『マッカーリ化学数学』,丸善出版株式会社(2014)
2)Desmos
3)Donald a.McQuarrie,John D.Simon著,斎藤一弥 他訳『マッカーリ・サイモン物理化学 分子論的アプローチ 下』,東京化学同人(2000)
Donald A.McQuarrie こやつ、我々が苦しむものを書きやがってw
さて、最近は素晴らしいコロナ日和ですね!
……はぁ、なんと私の地元、しかも超ピンポイントで私の出身の町でコロナが出てしまったんですよ。
嗚呼、おうち帰れない。
かといって一人で自堕落な生活をするのも何ですし、今回は前回の微分の話であまり触れなかった高階導関数について話そう。
今回は短くなりそう、やったぁ!
1.微分は何も一回しかできないわけじゃない。
何回も微分するとどうなるの?
さて、前回も微分について触れたが、こんな感じだったと思う。\[y=f\big(x\big)\tag{1}\]とすると、微分して
\[\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=f'\big(x\big)\tag{2}\]
と書けますね。こうやって、一回微分したときにできる関数を一階微分、または一階導関数といいます。はぇえ、一回を一階とな……ややこしい。
じゃあ、こいつをもう一回微分するとどうなるか。
一般にはこう書ける。\[\frac{\mathrm{d^2}y}{\mathrm{d}x^2}=\frac{\mathrm{d}f'\big(x\big)}{\mathrm{d}x}=f''\big(x\big)\tag{3}\]
んで、どんどん微分してくと、n階導関数では
一般にはこう書ける。\[\frac{\mathrm{d^n}y}{\mathrm{d}x^n}=\frac{\mathrm{d}f'\big(x\big)}{\mathrm{d}x^{n-1}}=f^{n}\big(x\big)\tag{4}\]
となる。
何回も微分すると何がわかるか
でも、何回も微分することに何の意味があるか、気になりますよね。というかそれもわからないといよいよ我々は何をしているのかわからなくなってしまう。次にそこを見ていく。結論から言えば、極値を求めたり、それが極大値であるか極小値であるか定めたり、変曲点を求めたりするときに使う。
まず、一階微分からは極値がわかる。
これは、f'(x)=0になる点(臨界点)は傾きが水平となる、つまりこれ以上増加もしくは減少しないということであるからだ。
このことについては以下の定理があるので覚えておこう。
・f(x)がx=aで微分可能であり、かつf(x)がx=aで極大値または極小値をとるとき、f'(a)=0
ただ、後程しっかり触れるが、命題で考えると、上記は十分条件ではあるが必要条件ではない。
また、極大極小については以下の定理を基にする。(高2であれば別のやり方を用いるだろうが、今回は変曲点についても触れるため)
・f(x),f'(x),f''(x)が連続でf'(a)=0のとき、
f''(a)>0でf(a)は極小値
f''(a)<0でf(a)は極大値
普段、我々はこの定理に基づき関数の極大、極小を判断することになる。ここで、勘が良ければ「あれぇ、f''(x)=0は?」となるはずだ。説明のため上からあえて省いている。
このf''(a)は、確かに変曲点になるのだが、ただ単にこの値が0だからと言って変曲点になるわけでなく、このx=aを境にf''(x)の符号が変わる必要がある。
幾つか例を挙げよう。
\[y=x^3+6x^2+10\tag{5}\]
これを微分すると\[y'=3x^2+12x=3x\big(x+4\big)\tag{6}\]となり、極値はx=-4、x=0の時に取ることがわかる。実際に元の関数に代入すれば具体値がわかるが、今回は省略。
では、極大、極小、変曲点についてみるために二階導関数を求めると
\[y''=6x+12\tag{7}\]
よってx=-4の時y''=-12<0となり極大値、x=-2のときy''=0で変曲点、x=0のときy''=12>0となり極小値ということが分かった。
fig.1 式(5)の三次関数のグラフ。さあ、これで正しいと分かっただろう、ドヤァ
ちなみにこの図を拡大すると、部分的に二次曲線に近似できる。
この時の近似式は一般に\[f\big(x\big)\simeq f\big(a\big)+\frac{1}{2}f''\big(a\big)\big(x-a\big)^2\tag{8}\]となり、
fig.2 式(5)を式(8)のように近似して得られた二次関数
まあ、近似は追々、別の形で触れるだろう。
諸注意
先ほどチラッと微分に使う定理について言及したが、必要条件にはならないといったね。だから反例としてf'(a)=0で極値をとらない例、およびf''(a)=0で変曲点とならない例を挙げよう。
例1)極値をとらない関数
\[f\big(x\big)=x^3\tag{9}\]
fig.3 式(9) どうみても極値とかない。
例2)変曲点のない関数
\[f\big(x\big)=x^4\tag{10}\]
fig.4 式(10) x=0で変曲点じゃなく極小値だね
2.化学で微分を用いる具体例
さあ、ここで幾つか、化学で用いられる微分の具体例を挙げようではないか。じゃないと分かりづらいですしね。てか化学数学なので、多少は化学を扱わないと。例.電荷q周りの球殻内の正味電荷
「何言うてんねんこいつ」と思うのも無理はないわな。なので、少し塩化ナトリウムを溶かした溶液でも思い浮かべるとよい。塩化ナトリウム溶液は中性だね。じゃあなんで中性かって、正電荷と負電荷の大きさが釣り合ってるからだ。
上の溶液において、例えばナトリウムイオンを中心に極座標系を考えるとこのナトリウムイオンの周りに、電荷の大きさが均等になるように塩化物イオンが存在する必要があるわな。
で、電荷はクーロンの法則に従うわけだから、一つのイオン電荷qiに対して多数のイオンの反対符号電荷の大きさが釣り合うにはある程度離れたところではこの程度の電荷の大きさになるように広がっていて……となる必要があるわけだ。
そこで、仮に半径r、厚さdrの球殻(まあ卵の殻みたいな薄いやつイメージして)を考えると、この球殻内にある正味の電荷は\[p_i\big(r\big)\mathrm{d}r=-q_i\kappa^2r\exp\big(-\kappa r\big)\mathrm{d}r\tag{11}\]で表される。(κは距離の単位mの逆数の次元を持つ定数)
今回は主題でないので書かないが、0から無限大までの区間で積分という操作をしてみると、-qiという,反対符号の同じ大きさの電荷だと分かる。(正確ではないが、イメージとしては『ある程度離れたところでの電荷』をすべて足し合わせたら等しくなったっていうので間違えは無いだろう。)
んで、この式(11)を図で表すと
fig.5 電荷qiの中心イオン周りでの、半径r、厚さdrの球殻内の正味の電荷のプロット。
まあ、メモリを見れば一目瞭然で、κrが1となるところが極大値だとバスっとわかるわけだがそのような勘のいいガキは嫌いだよ。
さて、主題の微分でこれを求めよう。
そうすると\[\frac{\mathrm{d}p_i}{\mathrm{d}r}=\kappa\exp\big(-\kappa r\big)-\kappa^2r\exp\big(-\kappa r\big)\tag{12}\]
式(12)が0となるrの値は、r=κ-1となり、最大値となる。つまりκr=1で極大となる、と言えるのだ。
3.最後に
さて、更新が二日空いたから三日坊主だと思った皆さん。私はちゃんとやってましたよwだけど、疲れるのよほんとこれ。
本当は級数展開も話そうと思ったが微分とは分けてやろうと思います。
なので先に偏微分、状微分方程式と話していこうかと思うのでよろしく。
そんじゃ、またな!
参考文献及び制作にあたって使用したサイト(うまくいけばAmazonページに飛ぶはずだが)
1)Donald A.McQuarrie著,藤森裕基他訳『マッカーリ化学数学』,丸善出版株式会社(2014)
2)Desmos
3)Donald a.McQuarrie,John D.Simon著,斎藤一弥 他訳『マッカーリ・サイモン物理化学 分子論的アプローチ 下』,東京化学同人(2000)
今日の一枚
Donald A.McQuarrie こやつ、我々が苦しむものを書きやがってw
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